陰雑記

日陰者の日記・陰弁慶の陰口

処世。

 他人の言うことをいちいち真に受けてはいけないというのは鉄則だ。

 他人は別に未来が読める訳ではないし、私のことも全く分かっていない。その場その場でいい加減なことを言っているだけだ。

 それより、他人の言葉が妙に沁みる場合、それは自分を見失っていることの兆候であると考えられる。何らかの安定した心の拠り所、あるいは快楽の供給が必要だ。

 聖域を持つ必要がある。他人が決して侵犯できない私的な領域だ。

 

 それはそれとして、心根が卑しく狡猾で冷たい人間が9割だということは念頭に置いておくこと。

 

 先のことをあまり心配しない方が良いというのも鉄則だ。どうにでもなるから心配するな。

 基本的には現在の苦痛だけに対処すればよい。未来の苦痛は、対処法がはっきり分かるもののみ扱えばよい。

 対処法の分からない厄介な問題は放置してよい。時間が経って物事が動けば勝手に解決している場合がある。よし悪化したとしても、取り返しのつかない状態になれば却って諦めがつく。

 

 自分の欲望がそもそも分からない場合は多い。

 どうしたいかということより、むしろ現実にどうしているかということが大事だ。

 現に今やっていることがそのまま私であり、それ自体は良くも悪くもない。

 それ以外の妙な理想や可能性を押し付けて、現実を相対化・矮小化しないこと。

 むしろこれが最善なのだし、これまでも最善だった、と考えることが最も優れている。

 「後悔が残らないように先のことを考えて生きる」ではなく、「後悔が今この場で起こらないように気を確かに持つ」ということが大事だ。後悔するかどうかは今の心境の問題であって、未来の問題ではない。不安についても同じ。