陰雑記

日陰者の日記・陰弁慶の陰口

飲み会

 洗練された奴隷は自分が奴隷であるとは思いません。奴隷を自称することがあってもそれは比喩、自嘲、冗談の類であって、本気でそう思っている訳ではないのです。自分を奴隷と思っても抜け出せるわけじゃないから、解釈で何とかするんですね。……これが弁証法だ! 全ては心の所作だ! 「自分を奴隷と思うなかれ」というのが奴隷の規範第一箇条です。というか「抜け出せない」って思い込むのが第二箇条ですね。あーあ。

 「仕事にやる気のないフリ」ってのをする人いません? 「労働はクソだ」とか「あーこの会社辞めたい」とか言う癖に辞めようとする気配はないし仕事は言われる限り「きっちり」やろうとする人。つくづく失望させられます。ええ。「お前ほんとは仕事大好きだろ。だったらはっきりそう言え」と言いたくなります。こういう人間は現代における労働が理不尽そのものだとは露ほども思っておらず、無能に厳しく、正しさに頼り、要するにやる気がない。彼らが無能に対する態度! せめて同情しろ、と言いたい。しかし彼らが求めているのは明らかに「できない」者を責める快楽なのだ。というより、同情すらも快楽に転化することがあり得る。つまり「こんな無能にも同情する私はなんて素晴らしいんだろう!」というそれだ。そんな自己愛に満ちた同情は同情ではない。

 「疲れてそうだね」と言った直後に「大丈夫、俺の方が疲れてるから」と言いやがります。知るか。「疲れの質が違うから」とか言います。もう死んだら?と思います。

 

 さて今日は会社の飲み会がありました。新人歓迎会ですね。今年入った新人を迎える会。新人研修が3か月くらいあって、7月から現場に配属されるようになるので、このタイミングでやるのです。去年も一昨年もコロナの影響で開催できなかったので、今年開けたのはまあ良いことでしょう。コロナ収まってないけどな!!

 ……立食パーティーでした。私はずっと端っこの椅子に座って黙って飲んでましたが。ビールはちょっと、今日は炭酸がキツかったので、ワインを飲みました。まあ普通に美味しかった。酸っぱい安ワインですね。グラスで、ビールを2杯、赤ワインと白ワインを各2杯、更にビールを瓶半分ほど。

 

 新人の自己紹介とかもね、まあ興味はないんだけど一応真面目に聞いてね、それについての素次応答コーナーとかもあって。どこの会社もこんな感じなんかな?と思いつつ、糞ほど興味がない。「なんて退屈なんだ!!」とも思いつつ。ええ。それなりの感染リスクを背負って参加してる訳ですからね。正直ガチめに行きたくなかったけど。まあ住めば都、参加すれば飲み会、ということでそこそこ楽しめました。普段リモートで音声通話だけしてる人と実際に会ってちょっと挨拶できたのは嬉しい。後輩の女の子。ほんとに挨拶だけだけどね。社交辞令。いやはや。

 同期とも少しだけ話せた。なんか警戒されているような気がしたが、多分彼は誰に対してもそうなんだろう。好感は持てるがきっと仲良くはなれないんだろうな。と思うと不思議に気分が良い。酔っているせいだろう。そうだ、実際に深く付き合えば不快に決まっている。そういう不快を楽しめる変な奴らが多いのだ、この世の中は。彼も退屈していた、私も退屈していた、それが全てだと思う。だから我々の間には不思議な共感があったはずだと信じたい。彼もまたその共感を持ったはずだ、ということを信じたい。

 ラストオーダー宣言がなされて数分後に酒を注文しに行ったらもう拒否だった。ええ。。と思ったがビール瓶はその辺のテーブルに残ってたので直飲みした。やっぱりビールはグラスに注いで飲むより瓶から直接飲んだ方が美味しいと思う。

 終わったら即帰る。安心する。また2週間くらい様子見だな。でも酒を飲んだら、「後悔する」ってことはほとんど不可能になってしまう。そういうもんだ。