陰雑記

日陰者の日記・陰弁慶の陰口

話の通じない父

 明日から出社。父に愚痴ったら「まあいつかはテレワークも終わると思ってた」と。「終わってないんだよ、他の会社は続いてるんだようちの会社がクソなだけで……」と言ったら、「そんなこと言ってたらお前の人生がクソになっちゃうぞ、手取り20万でずっと暮らしたいなら別だけど」と言われ、あまりの話の通じなさ、得体の知れなさに負けて何も言えなくなってしまった……。

 何でも父の文脈だと、システム屋として働いて生きていくからには出世しないとダメで、出世するには部下を持つ能力が必要で、そのためにはテレワークで自宅でプログラムを作ってばっかじゃダメだそうで、プログラムなんか作れるやつはいっぱいいるんだからそれじゃダメで、とかなんとか。よくわからない。何言ってんの?と訊きたかったのだが怖いのでやめた。何が返ってくるかわからない。

 しかし意味不明だ。私は出世なんぞしたくないし部下も持ちたくない。「それでどうすんの?」と言われてもどうもしない。単にそんなことはやりたくないだけだ。仕事も続けるつもりはない。転職がどうとかではなく労働自体が嫌だ。必ず何かしらの形で辞める。40年だか50年だか働くくらいなら死んだ方がマシだ。

 テレワークにしてもいつか終わるだろうと思ってたってのはそりゃそうだが、今じゃないだろう。コロナ5類は警戒する理由にはなっても緩和する理由にはならない。そして同じプロジェクトの他の会社は継続している。我々だけ出社する。私と、あと一人だけ。これで何が改善されるってんだ?

 父は前々からテレワーク否定派だったのだが、正直結論から始めているとしか感じられない。父の方が新しいものについていけてないのだ。便利なものを否定するようになったらお終いだ。確かに、「テレワークに慣れちゃったらテレワークが終わって実地でコミュニケーションを取るようになった時大変だろう」とか言われたことはあるが、戻さなきゃいいだろう! 「炊飯器使うようになったら鍋で米が炊けなくなる」とかと同レベルやんけ! 何故そんなところに拘りを持つんだ。テレワークせざるを得ない状況では、テレワークを前提にした仕組みを作るんだよ! 仕事サボってんじゃねーよ管理職! あ、「テレワークせざるを得ない」って認識自体が無いのか。買い被りでしたすみません。

 返す返すも意味がわからん。「お客さんとの折衝ができないとダメだ」みたいな話なら、客とだけ直接会えばいいじゃん? なんならビデオ通話してから会えばいいじゃん?

 だから父には仕事の話はできんのだ。頓珍漢な答えしか返ってこないからだ。労働が生活の前提だからだ。そして自分が進んできた道以外の可能性を一切知らないのだ!  そもそもこの人バブル期のどんどん給料が上がる環境で就職し、一所懸命に働き、これまた有能な妻と結婚して共働きで子供は2人、住宅ローンで庭付き一戸建てを買い、自動車を買い、出世して役員になりゴルフを始め、子供らは定職に就き老後は安泰云々と、悉く世間的な「正解」を歩んできた人物なのだ。大抵のことに対処できる実力・自信と、それ故の傲慢さと視野の狭さとクッソ無駄な規範意識を併せ持っている。そしてその傲慢さと視野の狭さとクッソ無駄な規範意識は自覚されていない。まあそりゃ話が通じるわけもないか。サラリーマンとして極まってるもん。デジモンで言うところの究極体だ。はは。しかし少なくとも私は今心から思うのです。ああはなりたくないな、と。